石英ガラス
ガラスには強化処理というものがあります。強化処理されたガラスのことを強化ガラスと呼ばれています。身近なものだと、スマートフォンに使用する画面の保護フィルムにも強化ガラスのものがありますよね。実はこの強化処理には2種類の処理方法があるんです。この記事では、その2種類の強化処理についてまとめていきたいと思います。
強化処理の種類
強化処理は大きく分けて2種類あります。
- 風冷強化(熱強化)
- 化学強化(ケミカル強化)
この2種類になります。
それぞれに特徴がありますので紹介していきます。
風冷強化
風冷強化は熱強化とも言われます。これは熱したガラスを急冷することで表面部分が内部より先に固形化し、表面に圧縮応力層を形成するものです。いわば物理的な強化方法になります。
耐圧性能が数倍強化されるので、圧力のかかる装置や、ボイラー等の覗き窓として使用が可能になります。
風冷強化の特長
風冷強化の特長は2つあります。
- 板厚が3~4㎜はないと強化処理ができない。
- 破損時は、細かく粒状に破損するため破片の危険度が軽減されます。
化学強化
化学強化はケミカル強化とも言われます。化学強化は、ガラス表面に化学的なイオン交換で圧縮層を作るものになります。ガラス内のナトリウムイオンをそれより大きなカリウムイオンに置換することでガラス表面に圧縮層を形成する方法になります。例えば、スマートフォンなどの表面保護ガラスにはこの強化処理方法が使われています。
化学強化の特長
化学強化の特長は3つあります。
- 薄い板厚の製品にも強化処理が可能になります。
- 圧縮応力層が非常に薄いため、一定の板厚以上(一般的に3~4㎜以上)のガラスに対しては効果が薄いとされております。
- 破損時は、一般のガラスと同じく鋭利な刃物のように割れてしまいます。
強化処理が可能なガラス
強化処理が可能なガラスは主に2種類あります。1つはソーダガラス、もう1つはテンパックスです。
ソーダガラス
ソーダガラスは、ソーダ石灰ガラスとも言われ、いわゆる一般的なガラスはこれに当たります。おそらく世界で最も生産・流通しているガラスです。
テンパックス
テンパックスとは、ドイツの特殊ガラスメーカーSCHOTT社の開発した低膨張ほうけい酸塩ガラスです。優れた耐熱性と高い透過性を兼ねそなえた無色透明なガラスです。
まとめ
いかがだったでしょうか。強化処理にも種類があり、それぞれに特徴があります。強化処理の他にも、たくさんの加工技術がありますので随時記事にしていきたいと思います。最後までご覧いただきありがとうございました。