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ガラスの基礎

鏡とは?ものを映す仕組みや鏡の種類などを徹底解説!

鏡とは?

鏡は、反射面を持つ、平面または凹凸した物体で、光を反射し像を映し出すことができます。鏡の製造には、透明なガラスと銀を使用します。はじめにガラスの片面に銀を吹き付け、さらにその上から銅膜や特殊膜を塗ることで鏡が出来上がります。銅の膜や特殊膜を塗る理由として、銀の膜を湿気などから保護する役割を果たします。
鏡の用途は幅広く、化粧、美容、建築、光学、通信など様々な分野で使用されています。化粧の鏡や洗面所の鏡は、自分自身を見るために使用されます。建築や家具には、空間を広げる効果を得るために使用されます。光学においては、レンズやプリズム、反射鏡など、光を調整するために使用されます。通信においては、光ファイバーや衛星など通信を行うために使用されます。

鏡の歴史

ガラス鏡の歴史は古く、欧州を中心に紀元前1世紀頃には作られていたようです。当時製作できたものは40mm角程度のもので、反射材料には主に鉛が用いられていたようです。ただし、一般的には金属鏡が使用されていたようで、ガラス鏡が一般的に使用されるようになったのはずいぶん後になってからのことになります。また、日本で現在の銀引きによる鏡を製造する技術が始まったのは、明治時代に入ってからのことです。そして、現在のように工場で大量生産をする体制が整ったのは1960年代に入ってからです。

鏡がものを映す仕組み

鏡がものを映す仕組みは単純で、当たった光をほぼ100%反射させているからです。鏡の銀膜は光の反射率が非常に高いので銀の反射したものだけがはっきり映ります。そして、鏡は光をまっすぐに反射するので、左右が反転して投影されます。また、銀膜の手前のガラスも光を反射しているため、少しではありますが対象物が二重に移って見える事があります。

鏡に反射する猫

鏡の種類

鏡にもさまざまな種類があるのはご存じでしょうか。一部ですが代表的な鏡をそれぞれ解説していきます。

裏面鏡

一般的な鏡のことで裏面鏡と言います。洗面台や姿見、風呂場など様々な用途で使用されています。一般的に広く使われるガラスの為、比較的安価で大量生産も可能です。加工もしやすく、様々な形状に対応可能です。ガラスの裏面に反射膜があるため、光がガラスの中を往復しなければならず反射率に影響します。また、ガラス表面も多少光を反射するので像が二重に見える事があります。そのため精確な反射を求める光学的な用途などには不向きになります。

表面反射鏡

一般的な鏡とは異なり、ガラスの表面に反射膜を形成する鏡です。特徴としては、表面に反射膜があるため反射率の減衰が起こらず、像が二重に見える事もありません。そのため光学機器等にも使用可能です。ただし、直接膜に触れられるため、傷が非常につきやすく(布で拭くのもNG)扱いに慎重さが求められます。表面反射鏡の主な用途としては、顕微鏡、赤外線センサー用、一眼レフカメラ内反射鏡、万華鏡などに使われます。

顕微鏡

球面鏡

表面が球面の形をしている鏡のことを球面鏡と言います。球面鏡には2種類あり、球面の内側を利用するものを凹面鏡、外側を利用するものを凸面鏡と言います。

凹面鏡

ガラス球面の内側を反射面にしたものを凹面鏡といいます。特徴としては、光を当てると光が一点に集約する焦点を持つのが特徴の一つで、その焦点より手前の物体を拡大して映す特徴があります。また、光を集約する効果もあるため、懐中電灯や車のヘッドライト等の内側にも用いられています。凹面鏡の主な用途としては、反射望遠鏡の主鏡、懐中電灯、メイク用鏡などに使われています。

望遠鏡

凸面鏡

ガラス球面の外側を反射面にしたものを凸面鏡と言います。凸面鏡の特徴は、凹面鏡とは逆に光を拡散して反射させる効果があります。それにより平面鏡より広範囲の像を映すことが可能です。広範囲のものを映すのに効果がありますが、その鏡像は小さくゆがんで見えるため距離感の誤認には注意が必要になります。(実際より遠方に対象物があるように誤解を招きやすい。)凸面鏡の主な用途では、自動車のサイドミラーや道路のカーブミラーなど、より広範囲のものを映すための鏡として使用されています。

カーブミラー

鏡の加工について

一般的な鏡は加工が容易なので、四角、丸、楕円など、あらゆる形状の鏡が製造できます。そのため、風呂場では防錆鏡、ディスプレイ用に高透過ミラーなど、用途に合わせて加工ができます。また、光学用途では、硝材や蒸着金属によってさまざまな効果を生み出すことが可能で、要望する波長や反射率によって選定対応が可能です。鏡の種類によっては、透過率や反射率、耐久性なども異なりますので、使用目的に応じて選択することが重要です。

まとめ

  • 鏡の製造は、ガラスの片面に銀を吹き付け、さらにその上から銅膜や特殊膜を塗ることで鏡が出来上がる。
  • 鏡がものを映す仕組みは単純で、当たった光をほぼ100%反射させているためものが映る。
  • 鏡の代表的な種類として、裏面鏡、表面反射鏡、球面鏡(凹面鏡・凸面鏡)などがある。
  • 一般的な鏡は加工が容易なので、四角、丸、楕円など、あらゆる形状の鏡が製造できる。

いかがでしたでしょうか。鏡は、光を反射して像を映すことができるため、様々な分野で使用することができます。技術の進化により、新しい使い方が開発されることで、さらに活用の幅が広がっていくことでしょう。

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