テンパックスガラスとは
ドイツのショット社が開発した耐熱性能の高いホウケイ酸塩ガラスのことで、最高(瞬間的)で500℃の高温にも耐える事が出来るガラスです。熱処理によって強化ガラスにする加工(圧力に対して強くする)も可能なので、圧力のかかるような場所にも使用可能です。
テンパックスの特徴と用途
特徴
- 優れた耐熱性能(最高500℃)、また熱衝撃性も高い
- 薬品耐性が高く、ほぼすべての酸に対して耐腐食性がある(一部例外としてフッ化水素などあります)
- 透過率が高く、無色透明に近い
用途
- 飲食店などの焼き場のガラス
耐熱性能、熱衝撃性の特性を生かし高温の箇所に使用されることが多いです。 - ボイラー、圧力容器
強化処理をすることで、ボイラーなどの圧力がかかる高温の所箇所で使用することが可能になります。そのため法律で定められた圧力容器などには、強化処理をしたテンパックスガラスが使用されます。 - 実験器具や医療器具
薬品耐性が高いため、ビーカーやフラスコなどの実験器具や医療器具によく使われます。 - 照明器具の保護ガラスやハロゲンランプのガラス
透過率が高く耐熱性も高いため熱を持つことが多い照明にピッタリのガラスです。
その他にも、ガラスウエハ・液晶プロジェクター・太陽電池用ガラスなど、様々な箇所で使用されていることがわかります。
石英ガラスとの違いは?
このようにテンパックスがとても優れたガラスということがわかります。その一方で、特徴の似ているガラスとして石英ガラスとよく比較されることが多いです。テンパックスと石英ガラスの違いは大きく分けて4つあります。
- 耐熱温度の違い
耐熱温度が大きく違う。テンパックスは500℃まで、石英ガラスは1000℃までとなる。 - 透過率の違い
不純物の少ない石英ガラスのほうが透過率が高い。そのため光学用途には石英ガラスが選ばれやすい。ただしテンパックスも一般的なガラスより優れているため、用途によってはテンパックスを使用する場合もある。 - 価格
テンパックスの方が安価に入手できる。石英ガラスは性能の高さや作り方などからどうしても高価になる。 - 石英ガラスは強化処理ができない
石英ガラスは強化処理ができないため、圧力がかかるような箇所に使用する際、厚みを変えたりなどして対応しなければならない。その点、テンパックスは強化処理が可能なので圧力がかかる高温の箇所などにはテンパックスの強化品が使用されやすい。
石英ガラスについては、特徴や用途をまとめた記事がありますのでこちらをご覧ください。
まとめ
- 耐熱性、薬品耐性、透過率に優れている。
- 用途は特性を生かし様々な箇所で使用されている。
- 石英ガラスと比較されることがあるが、スペックや価格の違いがあり使用箇所によって材質を選択することが重要。
テンパックスガラスの物性に関しては製品カタログに記載してありますので、お手数ですが製品カタログページからダウンロードをお願いします。その他、テンパックスの加工依頼、見積もり、質問等ありましたらお気軽にお問い合わせ下さい。最後までご覧いただき、ありがとうございました。