石英ガラス
実験などで目にする試験管は耐熱ガラス管というものを加工して作られています。耐熱ガラス管は、その特性から理化学の分野を中心に様々な場所で利用されています。この記事では耐熱ガラス管の特徴や用途についてまとめていきたいと思います。
耐熱ガラス管とは
耐熱ガラス管とは、ガラス管の中でも耐熱性に優れたガラス管を総称したものです。耐熱性能がさらに高い石英ガラス管というものもありますが、ここではホウケイ酸ガラスで作られたガラス管について詳しくお伝えしていきます。
耐熱ガラス管の種類
いくつかのメーカーが製造しています。スペックはほぼ同等ではありますが、微妙な違いや入手難易度の違いがあります。主な製品は下記の3種類です。
製品名 | 国 | メーカー |
デュラン管(DURAN) | ドイツ | SCHOTT |
CTE-33 | 日本 | AGC |
サイマックス管 | チェコ | KAVALIER |
また、ガラス管の他にも、同じ筒状の形をしたムク棒(内径穴のない棒状のガラス)や、毛細管と呼ばれる内径穴の細いガラス管なども存在します。
耐熱ガラス管の特徴について
耐熱衝撃性に優れている
耐熱ガラス管は120℃の耐熱衝撃性があります。耐熱衝撃性とは急激な温度変化に耐えられるかの基準であり、120℃の温度変化まで耐えうるということです。
耐薬性能が高い
強度な化学薬品に対してほとんど中性を保つため、化学薬品を使う様々なシチュエーションでの使用が可能です。
様々な加工に対応できる
下記の一覧のように様々な加工に対応できます。
加工名 | 解説 |
切断加工 | ガラス管を切断する加工 |
口焼き加工 | 口部を焼いて丸くする加工 |
丸底封じ加工・平底封じ加工 | 底を丸く封じたり、平らに封じたりする加工 |
目盛り加工 | 目盛を入れる加工 |
曲げ加工 | U字やL字のように曲げる加工 |
接着加工 | ガラス管同士を接着する加工 |
耐熱ガラス管の用途について
優れた特性や様々な加工に対応していることから、特に試験管などの理化学用実験器具でガラス管は活躍しています。その他にも、ガラス照明器具・ガラス水槽・工場の一部可視化など、多岐にわたる用途で使用されています。
製品事例 | 解説 |
ロウソク立て | アクリルでも可能だがガラスなら劣化しづらいので長く使える |
ガラスランタンの風除け | 一点物で作る場合、ガラス管から加工したほうが安価に作成が可能 |
工場で使われるパイプの一部を可視化して異物混入検査に使う | 飲料を製造する会社での製造事例 ガラス管は食品衛生法にも対応 |
まとめ
- 耐熱ガラス管はガラス管の中でも耐熱性に優れたものを耐熱ガラス管と総称する。
- ガラス管はいくつかのメーカーが製造している。その他に、ムク棒や毛細管などがある。
- 特長は、■耐熱衝撃性に優れている ■耐薬性能が高い ■様々な加工に対応できる。
- 用途は理化学用実験器具、ガラス照明器具、ガラス水槽、工場の一部可視化など多岐にわたる。
耐熱ガラス管の物性に関しては、各製品ごとのカタログがありますので、お手数ですが製品カタログページからダウンロードをお願いします。その他、耐熱ガラス管の加工依頼、見積もり、質問等ありましたらお気軽にお問い合わせ下さい。最後までご覧いただき、ありがとうございました。